こんにちは、マネージャー ミクです。
両筑植物センターはオーストラリア植物の生産イメージが強いですが、実は斑入りやホスタ、アガパンサス、パンパスグラスなどの宿根草、花木なども生産しています。
オーストラリア専門の生産者に留まらない理由は、それだけだと面白くないし多様性もないから。多品種少量生産を続けているのも、多様性のある植物を揃えるため。
今回は、いろんな植物の中からビブルナム を取り上げます。
ビブルナム 、属名はガマズミ(Viburnum)。日本では、オオデマリ といえば馴染みがあるかと思います。春になると、丸い形の花を公園で見かけます。
A-Z 園芸植物百科事典でViburnumについての説明を見ると、「150種もしくはそれ以上からなる属で、常緑、半常緑、または落葉性の低木、あるいは高木で森林や雑木林に自生する。主に温帯北部に
分布するが、西南アジアや南アメリカにも広がっている。」とあります。そこに園芸品種を加えると、さらに種類が広がるでしょうね。
私がビブルナムを好きな理由が、いくつかあります。
- 常緑、落葉ともに葉の手触りや形にバラエティがある
- 花がかわいらしい
- アブラムシやコガネムシなどの食害はあるけど、比較的病害虫に強い方
- 日本に気候にあっているので、日常生活のなかで育てるのに無理しなくていい
というところです。
それでは両筑植物センターで生産販売しているビブルナム をそれぞれ紹介します!
ビブルナム メリーミルトン
学名:Viburnum plicatum f. plicatum ‘Mary Milton’
オオデマリの園芸品種。蕾の頃はピンク色が強いけど、花が開いてくると白色に変化。
蕾に丸みがあってかわいい。ピンクもちょっと強め。
最初は赤みが強い葉で、どんどん緑色へと変化します。下の画像を見ると、赤と緑が入り混じった感じがわかりやすいと思います。
ビブルナム ステーリー
学名:Viburnum macrocephallum ‘Sterile’
真っ白な花がとてもきれいです!透き通るような白さ。
そして、ステーリーの面白いところは、蕾が緑色!最初はこんな色してるんです。
蕾が開くと、緑色と白が入り混じます。花いろの変化が見応えある品種ですね。
以上2つは落葉のビブルナム ですが、次は常緑。
ビブルナム リティドフィラム
学名:Viburnum rhytidophyllum
リティドフィラムのおもしろいところは、何と言っても葉!触るとふわっとしたような、ざらっとしたような不思議な感触があります。個人的にはとても好きなビブルナム 。
お花は白くて小型。メリーミルトンやステーリーに比べると可憐な感じ。リティドフィラムは、生長が本当に遅いです。1年で1センチも伸びないくらい。かなりのんびりしています。早く伸びないでほしい!という人にはオススメですよ。
ビブルナム バークウディ
学名:Viburnum × burkwoodii
V. carlesii と V. utileをかけあわせてできた品種。イギリスにいたころ、ガーデンでよく見ました。
こちらは蕾の頃は淡いピンク色。開き始めると白色に変化します。蕾がつるっとしてますね。
満開の頃はこんな感じです。全体的にシュッとした樹形。灌木になります。
現在販売はしていませんが、常緑のビブルナム はもう1つあります。
ビブルナム ティヌス
学名: Viburnum tinus
葉がちょっとつるっとしています。蕾が薄いピンク色。他のビブルナム にも似てますね。
灌木状に育つので、高さと同じくらい横幅も広がります。
ビブルナム の良さは、日本の気候にあっているのでそのままの環境で育てて楽しめることだと思います。基本的に低木なので、高さが欲しくない時にはぴったりの植物です。
いろんな植物が生産販売されていますが、日本に由来する植物を取り入れるのも、庭の多様性を持つには大切だなと思います。
今回紹介したビブルナム 、イングリッシュガーデンでは結構重宝されてました。日本でも良さを実感して育ててもらいたいないと思ってます。