こんにちは、ミクです。
今回は、すす病について。
グレヴィレアを育てている方は、いつの間にか葉が真っ黒になっていた!てことはありませんか?
グレヴィレア以外でも、アカシアやアクメナ、シジギウムでも、いつの間にか葉と枝が真っ黒になっていたことがありませんか?
今回は、グレヴィレアを例にしてすす病の症状や対処方法についてです。
すす病とは?
すす病は、「カビ(糸状菌)による伝染性の病気」で葉、枝、果実などがすす状の黒色のカビ(糸状菌)で覆われます(庭木 花木 果樹の病害虫ハンドブック:家の光協会 p154より)。
すす病菌は空気中に漂っていて、樹木についているアブラムシ、カイガラムシ、コナジラミなどの排泄物を栄養にして広がります。
発生時期は1年中なので、原因があればいつでも発生します。
グレヴィレアにすす病が発生すると
今回は、グレヴィレアに発生したすす病についてお話しします。
なぜグレヴィレアを例にするかというと、原因を見落としてしまいがちで、気がついたら真っ黒に!と言うことがおきやすいからです。
グレヴィレアのすす病ですが、先ほど上げたような害虫が原因というよりも、花の蜜が枝について、そこからすす病菌が繁殖するのです。
例えばこちら。ロックグレヴィレア(Grevillea willisii)。
通常はこんな感じです。
そしてすす病になると、、、
葉の裏側が少し黒くなって、枝も他の場所より黒いです。そして、花芽が発達してない感じ。
すす病になると、葉の表面が厚いすす状の膜で覆われてしまうので、光合成が抑えられて生育が悪くなります。
今回のものは、症状が軽いほうで、葉の縁だけが黒くなってます。
黒くなっているのに気付かず、放置しているとすす病が葉全体に広がってもっと真っ黒になります。
すす病になったらどうしたら良い?
すす病ですが、なった時に散布する農薬はありません。
なので、できることとしたら
原因を知って、発生を防ぐ
しかありません。
先ほど原因を最初に書きましたが、害虫の排泄物が原因になるなら、虫がついたら取り除く。放置すると一気に広がるし、葉や枝がベタベタになってすす病になってしまうので、見つけたら即歯ブラシで落としましょう。
そして、虫が付きにくくなるように忌避剤を散布する、です。リョウチクはこれを使ってます。
こまめに続けると、100%は無理ですが80%くらいは防げると思います。農薬ではないので、植物に影響もありません。
そして、グレヴィレアですが花の蜜が葉や枝につくと、そこから病気になるので、なるだけつかないようにするのがベスト。
リョウチクの生産現場でやっている対処法は
花が咲く前に落とす
です。
例えばこちら花芽がたくさんです。このまま咲いてくれたら、お花びっしりでキレイですよね。
ですが、このまま花が咲けば、たくさんの蜜が葉と枝につきます。となると、すす病になりやすくなるんです。
なので、リョウチクは花芽を減らします。
花芽を全部落とすこともありますが今回は何個か切り落とします。
これから伸びてくる小さいものだけを残しました。
花芽を切るのはもったいない、、、という気持ちもわかりますが、多く残してすす病が発生して、植物に負担がかかるのも良くないなと思います。
花を咲かせたい!というときは花を咲かせて、早めに枝ごと切って、切り枝として楽しむのもアリかなとともいます。
病気になってしまったら、どうしたらいいの?と思う人もいると思います。
黒くなったところは歯ブラシで水をかけながら洗い落とします。原始的ですが、これが落とすのに良い方法です。水で洗うには範囲が広すぎる、、、と言うときは病気になった枝を切り落とすしかないです。切り落としたら、ビニール袋に入れて処分してください。
そして、毎度お馴染みですが剪定は大事です。毎年剪定をしていないと、枝葉が密集しすぎて風通しが悪くなり、害虫がつきやすくなったり、蜜が広範囲に落ちてすす病が発生しやすくなります。剪定は形を整えるだけじゃなく、病害虫が発生しにくくなる環境を作るのにも大事なことです。
グレヴィレアはカイガラムシとかついてないのに、なんで蜜だけで発生するの?と思われるでしょう。
カイガラムシやアブラムシの排泄物は甘露と呼ばれています。
甘い蜜のベタベタした排泄物なので、それと同じグレヴィレアの蜜が、すす病の菌を定着させるのかなと思います。
ちなみに、今回すす病の原因や症状について引用した本はこれです。
病害虫については、いざと言うときに調べられる本が1冊あるのがいいと思います。画像で症状を説明して、対処法もあるので私も何かおかしいと思った時はこの本で調べています。
そして、発生のメカニズムを知るにはこれがおすすめです。 病害虫は植物を育てる上で避けることはできません。だからこそ、なぜ発生するか基本を知っておけば、育てる上で気をつけることがわかると思います。
今の時期、意外なところで病害虫が発生しているかもしれません。水やりや剪定がてら、ちょっと植物を観察してみましょう!